夜中のゼーゼーで受診して、吸入をしてもらったら、すーっと楽になって眠れた。
「これ、おうちでできたらいいのに……」——そう思ったこと、ありませんか?
実は、医師から勧められれば、自宅で吸入する体制を作れる場合があります。この記事は、医師から自宅吸入を勧められたご家庭向けに、吸入器の選び方と使い方のコツをまとめたものです。
そして、何度もゼーゼーを繰り返しているのにまだ相談したことがない方は、次の受診で「うちの子は自宅吸入をしたほうがいいですか?」と聞いてみてくださいね。
吸入器には2つのタイプがある
薬局や家電量販店では取り扱っていない事が多く、ネット注文が一般的です。
「家庭用吸入器」を探すと、大きく2種類あります。
- 精製水などを霧にするタイプ:のどを潤すことが目的。薬は入れられません
- 医師が処方した薬を霧にして気管支や肺に届けるタイプ(ネブライザー):病院で受けるあの吸入を自宅でできるもの
私がおすすめしたいのは後者のネブライザーです。ただし大事なことがひとつ。ネブライザーは「処方された薬」とセットで初めて意味があります。吸入器だけ買っても、入れる薬は医師の処方が必要です。だからこそ、購入は「医師に勧められてから」または「医師に相談してから」にしてください。
選び方——ナースが見ているのはここ
① 買う前に、主治医か看護師に「機種のタイプ」を確認
「この薬に使える吸入器はどのタイプですか?」と聞いてから買うのが、遠回りに見えて一番の近道です。病院でオススメしている機種がないか聞いてみましょう。
② 音の静かさ
吸入は夜寝る前にすることも多いので、動作音は重要です。寝ている子のそばで使うなら、静かなタイプが断然使いやすいです。
③ 噴霧量(霧の出る量)——吸入にかかる時間が決まります
見落とされがちですが、実は大事なポイント。吸入器は機種によって1分あたりに出る霧の量(噴霧量)が違い、これで吸入が終わるまでの時間が決まります。霧がしっかり出る機種なら数分で終わることも、少ない機種なら倍以上かかることもあります。
じっとしているのが苦手な子、吸入がきらいな子ほど、「早く終われる」は何よりのやさしさです。商品ページの「噴霧量(mL/分)」という数字を見比べてみてください。数字が大きいほど、早く終わります。
④ 手入れのしやすさ
毎回洗うことになるので、パーツが少なくて分解が簡単なものが続けやすいです。ここをサボりたくなる構造だと、使うのがおっくうに。ママの負担が増えないことも大切です。
⑤ 子ども用マスクのサイズ
小さい子は付属マスクのサイズが合うか、口にくわえるタイプがあるかもチェック。好きな方でOK。
『私のオススメはこちら』
使い方のコツ——診察室でお伝えしていること
処方どおりの量と回数を守る。 医師から処方される吸入液はさまざまで、量も回数もその子に合わせて決められています。「調子が良いから減らす」「ひどいから増やす」は自己判断でせず、必ず処方どおりに。変えたいときは主治医に相談です。
咳がひどい時は、朝・昼・夜・寝る前など定期的に。 夜の症状に備える意味でも、寝る前の吸入を習慣化するのがおすすめです。医師に確認した1日の上限回数を守りましょう。
寝ている間でもOK。 嫌がって起きているときにできなくても大丈夫。寝ている子の顔の周りで霧をモクモクさせるやり方でも吸入できます。マスクを嫌がる時期の子には、この方法に助けられているご家庭がたくさんあります。
ステロイドの吸入液が処方されたら、あとのうがいを。 口の中に薬が残ると、口腔カンジダ(口の中のカビの一種)の原因になることがあります。うがいができる子は、吸入後にうがいをさせてください。
出来ないお子さんは、水を飲ませたり、濡れたガーゼを指に巻いて口の中を拭いてあげましょう。
お手入れ——「毎回」と「長期保管」で分けて考える
基本はお手元の説明書が最優先。そのうえで、続けやすい目安をお伝えすると:
- 続けて数日使うとき:使用後のパーツは、食器を洗うのと同じ感覚で洗って乾かせばOK。神経質になりすぎず、でも毎回洗う——が続けるコツです
- 長期で保管するとき:しまう前に、哺乳瓶の消毒に使う消毒剤(ミルトンなどの浸け置きタイプ)で消毒してから乾かして保管するのがおすすめです。次のシーズンに気持ちよく使えます
まとめ
吸入器は「買えば安心」の道具ではなく、主治医と一緒に使う道具です。
- 勧められたら:機種タイプを確認してから購入を
- 繰り返しているなら:まず「自宅吸入したほうがいい?」と相談を
🌙 迷ったら、受診していい。
吸入しても呼吸が苦しそうなときは、ためらわず受診を。判断がつかない夜は #8000 へ。

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