昼間はそこまでじゃなかったのに、寝かしつけたとたんにコンコン、コンコン……。
やっと寝たと思ったら、明け方またひどくなって、親のほうが眠れない。
「このまま朝まで待っていいの? それとも夜間救急?」——診察室でも本当によく聞かれる質問です。
実は、咳は寝入りと明け方にひどくなりやすいもの。横になると鼻水がのどに流れ込みやすくなることや、明け方は気道が敏感になりやすい時間帯であることが関係していると言われています。「夜だけひどい=重症」とは限りません。
だからこそ大事なのは、咳の回数や時間帯より、「呼吸のしかた」を見ること。今日は、小児科ナースの私が診察室で必ず見ているポイントを、おうちでも使える形でお伝えします。

【今すぐ受診】夜間でも救急に行ってほしいサイン
咳そのものより、「息を吸うのに苦労していないか」を見てください。パジャマをめくって、胸とおなかを見ます。
- 息を吸うたびに、のどの下やあばらの間がペコペコへこむ(陥没呼吸といいます 緊急性が高い)
- 小鼻がピクピクふくらむ、肩を上下させて息をしている (言葉にできなくても息苦しい証拠です)
- 犬の遠吠えやオットセイの鳴き声みたいな 低い音で「オウ オウ」という咳+息を吸うときに「ヒューヒュー」と音がする(夜に急に悪くなりやすい咳です)
- 唇や顔色が白っぽい・紫っぽい
- 咳で眠れない・話せない・水分がとれない
- 咳き込んで何度も吐く、ぐったりしている
ひとつでも当てはまったら、夜中でも受診してください。迷ったら#8000へ電話を。
【朝まで待ってOKなことが多い】通常の受診でいい目安
- 咳はあるけれど、咳と咳の間はスヤスヤ眠れている
- 水分がとれていて、おしっこも出ている
- 起きているときの機嫌はまずまず
- 呼吸は苦しそうじゃない(上のサインがない)
このタイプは、朝まで様子を見て、日中にかかりつけを受診で大丈夫なことが多いです。夜の咳は親の体力を削るので、「今は様子見でいい」と判断できること自体が、ママの睡眠を守るケアです。
【様子見でいいことが多い】ただし期限つき
鼻水と軽い咳だけで、食欲も元気もある——そんなときは慌てなくて大丈夫。ただし、2週間以上続く咳や、何度も繰り返すゼーゼーは、たとえ軽く見えても一度かかりつけ医に相談してください。「長引く」「繰り返す」は、それだけで受診の理由になります。
夜の咳を少し楽にするホームケア
- 上体を少し起こす(頭側に丸めたバスタオルを数ヶ敷いて30度程度の傾斜をつける、縦抱きにする)
- こまめな水分でのどを潤す
- 部屋の加湿と、寝る前の鼻水吸い
※これらは「楽にする」工夫で、上の受診サインが出ているときの代わりにはなりません。
繰り返す咳の子へ——ナースからのお願いと小ワザ
「また今夜も…」と咳を繰り返している子のママに、ぜひやってほしいことが2つあります。
① 咳を動画で撮っておく。 診察の時間帯には咳が出ていないこと、よくありますよね。「どんな咳ですか?」に言葉で答えるより、夜の咳の動画を1本見せるほうが何倍も伝わります。音が入るように撮るのがコツです。
② 「自宅での吸入」について主治医に聞いてみる。 ゼーゼーを繰り返す子は、医師から家庭用の吸入器(ネブライザー)での自宅吸入を勧められることがあります。夜中に発作のたびに受診しなくても、処方された薬を自宅で吸入できる体制が作れる場合があるんです。繰り返しているなら、「うちの子は自宅吸入をしたほうがいいですか?」と一度相談してみてください。
「勧められたときの吸入器の選び方はこちら」

🌙 迷ったら、受診していい。
判断がつかない夜は #8000(子ども医療電話相談)へ。
「こんなことで来たの?」なんて思う医療者は、いませんよ。


コメント